大琉雑踏亥椎悪葦異夢

- 趣味と現実・ 落書きと愚痴・ 思うまま、思わぬまま -


小話 「婚礼の朝」

えーと、以前から言ってたSSとか小ネタの類を掲載してみます。
短すぎて、本とかにできないようなのを時々のせていこうかと。

まずは、「佐久間/公シリーズ」の二時創作からです。

 下の「続きを読む」からどうぞ ↓

「婚礼の朝」



"Yo,"
 He said in cracked voice. His face twitched, trying to smile.
"Ya...made me...waiting...fuckin' long," he managed to swallow hard and said.
 I took one step back, open the door widely.
"It's nice to go out of here. Don't you think?"
 Sawabe shook his head. Only for a moment, something flickered through his eyes. He firmly shut his eyes, and not open them for a while.
 Soon, he rised his face up, endured pain, with beatiful smile, looked at me.
"Good. It's a good idea, indeed...."
 I reach out to him.



"CHASER IN HIS BLOOD" by Arimasa Osawa





◇ ◇ ◇
 



「・・ッ!」

 息苦しさと不快感に目覚めた瞬間、自分が何処にいるのか分からず、僅かに沢辺は混乱した。
 見慣れた天井だ。暖かな、だが一人きりの寝床。
  ―― 自分の部屋だ。
 ここは『彼処』ではない。あれは、過去の事件であり、もう何の心配もないはずだ。
「くそっ! なんでこんな日の朝に、あの時の夢なんざ見るかな・・・」
 死を覚悟せざるを得なかった、恐怖。
 忌々しい。いまだ、体の芯に凝るような不快感が澱んでいる。

 ゴロワーズを1本出して銜え、火をつけた。

「この目出度い日に、なんてざまだよ」
 今日は『花嫁の兄』として、大事な大事な妹を嫁がせる日だ。

「コウの奴、さぞかし似合わねえだろうな」
 花婿の白いタキシード姿を想像して、思わず呟く。

 それにしても何だろう、すっきりしないこの気分は。
 夢見が悪かった、というだけが原因ではなさそうだ。

 命の恩人でもある親友に溺愛していた妹を取られるというのは、なかなかに複雑なものだ。
 あいつになら、しょうがない。
 他の奴だったらもっと許せないだろうがな、とは思う。
 思いはするのだが、なにか自分一人が置いて行かれたような気がしないでもない。

 置いて行かれる?

  ―― どっちにだ?

 一人ごちながら、沢辺は苦笑した。
 



2007.04 by 滝村 磨允

コメント

秘密のコメント

ブログ管理人への秘密コメントです

昨日表示されていた本文中の広告は、どうやらユーザーからの苦情殺到のため取り止めになったようです。
また別の形ででも広告を入れようとするかもしれないので、見に来てる方々も一応気をつけといてください。

>ふみ様
早速のコメントありがとうv
まあ、ぼちぼち行こうと思ってます。

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